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その言葉に、ミカエルはまたもやプイッと顔を背け、腕を組むと、すこし冷たい態度を解いて言った。
「いいわ。
話して。最初から最後までね。
"あの子に話さなかった"部分もよ」
海はとりあえず安堵の息を吐くと、ゆっくり時間を使って話し始める。
「まず…俺達天使は…そろそろだと
………感じてた。
悪魔が人間界…に再び現れる…のが。
それに対して………"神"は…弥生の暗殺を…目論んだ。
そこまでは…いいはずだ………。
なんたって………それを教えてくれた…のは、お前だったんだからな」
ミカエルは再び冷たい態度に戻り、視線で話の先を促してくる。
「その計画は…一度は失敗に………終わった。
俺が…弥生を助けに…行ったときだ。
それで、俺は少しの間………投獄される事になる…んだが。
まぁ機を見て…そこを脱した俺は………
"禁忌の間"に………入った。
その計画の…全貌が、知りたかった」
禁忌の間………。
それは天使でさえも、入ることの許されない。禁断の部屋。
中に何があるのか。それはまさに"神のみぞ知る"というわけだ。
「そこには……………
一冊の…書物があった。
天使長である…お前なら。
入ったこと…あるんだろ?」
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