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「えぇ………一度だけね。
あなたが言う、神崎弥生暗殺計画第一弾の時よ。
ただ、その書物が一体何なのかは知らない。
それこそ堕とされちゃうわ」
皮肉たっぷりに、彼女は言い切った。
それに愛想笑いを返しつつも、海は本題に触れた。
「その本には………
"運命"が………
書かれていた」
「まさか!!!!!!
そんな事が………!!!」
どうやら、中身を知らないという話は本当だった様だった。彼女は海への、ルシファーへの苛立ちも忘れて声を荒げた。
「そうさ……。
運命。
つまり人の世のこれからが全て記された書だ。
神様の…"保険"だよ。
前に………弥生にこんな事を聞かれた。
神様は、どこまで考えて………この世界を作ったのだろうか…って。
答えは…"今も"であり、"初めから考えてなかった"………でもある。
いや…"考えなくてもいいように考えておいた"でも…あるな。
つまりは………全ては神の掌の上だった。」
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