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「そうだけど…君達がもしかして…?」
「はい、私達はこちらへ伺う予定になっていた月見里(ヤマナシ)です。 ご迷惑をかけますが、これからよろしくお願いします」
うはぁ…これはまた礼儀正しいお嬢さんだな……。
まだ若いのに大したもんだぜ。
「ほら、あなた達も挨拶しなさい!」
「一緒に住むからって馴れ馴れしくしないでよねっ!?」
いきなり初対面でツンツンされてしまった。
こりゃあこれからこの子に苦労しそうだな……。
「すみません!! この子は行儀が悪くて!! 気を悪くしないでくださいおじさん!!」
「お、おじさん…?」
この子達にとっては俺はおじさんらしい。
まだ大学生にもなってないのにそんなに老けてみえるかなぁ……。
「そえでね、そえでね、さくあはさくあっていうの!!」
さくあ…? 何のことだ……?
「ホントにすみません!! 私達の名前がまだでしたね! 私が長女の月見里 柊(ヤマナシ ヒイラギ)、先ほど失礼した子は次女の梓(アズサ)、そして今舌足らずな言葉だったのが三女の桜(サクラ)です」
なるほど、『さくあ』っていうのは『さくら』って意味だったのか!
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