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『色羽、お正月実家にいくか?』
『そうね、慎吾のご両親にもご無沙汰してるし』
『違うよ、白金台のだよ』
『家…入れてくれないわ』
『大丈夫だよ。きっと喜んでくれるから』
慎吾さんはニッコリ笑って私のお腹を撫でた
私は不安だったけど、彼の言う通りにしようと思った
クリスマスには、ライブの飲み会を切り上げて、早く帰ってきてくれた
去年は一人だったのに、今年は三人…ホントに神様の贈り物だと思った
年が明け、私達は白金台の実家に顔を出した
きっとパパは怒鳴るだろうし、玄関にも入れてくれないだろう…そう思いながら、玄関のドアを開けた
そこにはパパが泣きそうな顔をして立っていた。そして私を抱きしめると
『身体の弱い子に産んでしまったから、妊娠なんてできないと思ってたんだ…一人じゃ何もできない子だと思ってた…大丈夫なのか?体調は悪くないか?』パパは私のお腹を何度もみたり、私の顔を覗き込んだ
『パパ…心配かけてごめんなさい…つわりも治まってきて大丈夫だから…』
『お義父さん、ご無沙汰してます。色羽はインテリアコーディネーターの第一試験も合格して、第二試験に向かって毎日勉強してますよ』
『前は悪かったね…堤君…さああがりたまえ』
パパはあっさり慎吾さんを許し、私達をリビングに通してくれた
あ、ママ…ママがお膳立てしてくれたんだ!
キッチンでお節の用意するママに、『ママが間入ってくれたの?』と聞いた
『ママもそうだけど…クリスマス前に慎吾さんがパパに会いにきたのよ。お正月、5人で過ごしませんかって』
慎吾さんが…私は涙が出そうになった
この日、パパと慎吾さんは仲良くお酒を酌み交わした
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