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「あっ、猫だ。一緒に遊ぼ」
女の子はクラウドを見て笑った。
「・・・」
ムカついた心が少し落ち着いた。
「俺は・・・」
女の子の傍にはいられないと思った。
自分の手を見て血がついていた。
いくら返り血でも、触れられない。
そう思い、女の子から離れた。
すると、
「怪我してる。治療しないと・・・」
女の子はクラウドの手を握ってくれた。
暖かかった。
「大丈夫だ。怪我してないから」
「嘘。血がついているもん。私んち来て。すぐ近くだから」
手を繋いで女の子の家まで案内してくれた。
「お姉ちゃん、治療箱どこ?」
中に入ると女性がいた。
「治療箱?ここにあるわ」
女性が女の子のところまで運びわたした。
「ありがとう。お兄ちゃんはここに座る」
「・・・」
仕方がなくと座り、血がついている右手を出した。
痛くない。
怪我はしていない。
そう思いながら落ち着きがなかった。
女の子は消毒液を出してティッシュに濡らしてふいた。
傷がないと女の子はわかった。
「あれっ?傷がない」
「だから言っただろ」
「じゃあ、この血は何?」
「・・・」
クラウドは言いにくかった。
でも言うしかなかった。
「これは返り血だ」と。
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