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土方さんはずっと険しい顔で僕を見ている。原因は分かってる。僕が関係のない人を切ったから。土方さんの命令を無視して勝手な行動をしたから。分かってて僕はわざと知らないふりをしてニコニコと笑う。
「お前は何で怒ってるのか分かるよな??」
「えぇー??何の話しですぅー??僕にはまったく分かりませんけどー。」
そんな僕の言葉に土方さんの眉はピクリと動いた。土方さんの怒りはピークに達しているだろうが、僕は知らないフリをしてへらへら笑い続ける。
だって、そうすれば少しは
僕の存在を認めて貰える。
そうすれば僕の姿を見て
貰える。
怒られてる時が僕が一番
居場所が出来るとき――。
「お前。俺が待て、と命じたのにそれを無視して敵に近づいただろうが。そのせいで相手も逆上して銃を撃った。怪我をしてなかったからいいが、もし怪我なんてしたらどうするんだ。」
これは僕を心配して言った言葉じゃない。新撰組局長、近藤勇の迷惑になって欲しくないから言った言葉。本当は土方さんにとって僕はどうでもいい存在。
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