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『ねぇ…?あの人達大丈夫なのかしら??』
『大丈夫な訳ないでしょ。もうすぐ来るんじゃない?』
今は亥の刻。
人だかりが出来ている。そんな人々の視線の先にあるのは幕府を侮辱する武士。周りはそれを見て怯えた表情をしている。
だが、その武士に怯えてる訳ではないようだ。
「はん!!幕府の犬なんぞに怯えるかよ」
「幕府の犬…ねぇー?
僕、その呼び方嫌いなんだよ。僕は別に幕府の為に命賭けてる訳じゃないから。」
その声が聞こえた瞬間に武士の一人の首が飛んだ。
首を無くした体はふらふらと歩き崩れ落ちた。
一瞬静まりかえる。
そして、
「き、きゃぁぁあ!!」
女の人の叫び声で我にかえった人々は逃げ惑う。
男を切ったのは髪は栗色の肩の長さまであり、肌は透き通るように白い深紅と金色の瞳を持つ、一見女と見間違う程の美青年だろう。彼は薄く口角を上げて不適に笑っている。だが、目は笑っておらず殺意が見え隠れする。
彼は白いハチマキを巻いて水色の背中に゙誠"と書かれた羽織をきている。
「……に、逃げろ!!」
男達は顔を真っ青にして青年とは逆の方角に逃げて行く。
「あ…、逃げちゃった。」
そんな青年は男達が逃げてるにも係わらずにのほほんとその様子を眺めていると、急に男が二人同時にお腹から血が溢れ出した。
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