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「だるまさんがころん、だッ…」
言い終わると同時に目を見開き足を一歩出して、刀を抜いた。それはあまりにも一瞬の出来事だった為にたいがいの人間は何をしたのか分からない。
だが、真っ二つに別れた銃弾に撃たれたにも係わらず、無傷なのは一つの答えがでる。
そう、彼は
――銃弾を刀で切ったのだ。
最早、人間技ではない。しかし、彼はそれを平然とやって退けてしまった。
男は銃弾を切られたと言うことを理解すると、手を震えさせて錯乱状態に陥っている。
「やばいな…。あのままだと混乱して無闇に撃ちかねない。
おぃ、総司。 一旦そいつから離れろ。」
「嫌ですよ。」
そんな土方の冷静な指示を嫌の一言で返すと、男に一歩づつ近づいていく。
男は総司が近づいて来ることに発狂して、銃を無意味に打ち出す。全て総司に向けて撃っている。その銃弾を全て紙一重で避けているが、不規則的に発射される銃を完璧に読むことは出来なかったのか銃弾が頬を掠めた。
「はは……」
男は当たると思ってなかったのか、渇いた声で笑っている。その一瞬の隙が命盗りとなった。
総司はその隙を見逃すことなく一瞬で間合いを詰めて刀を振り下ろす。その場所には銃が真っ二つになって落ちていた。
男はその様をボーと見つめている。総司は男のすぐ前までくるて刀を喉仏に突き付ける。そして、また口角を上げて笑う。
「僕達、゙新撰組"を侮辱しようなんて考えた天罰だよ。」
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