12人が本棚に入れています
本棚に追加
学校が終わると、慎たちは今朝の公言どおり学校裏の神社に来ていた。
辺りは薄暗く、十月の冷たい風が吹いていた。
「よしっ早速やって見ようぜ。っでどっちがかける?」
慎はハッとした。
「どっちがかけるって、守がかけるんじゃないのかよ?」
慎たちはいきなり壁にぶつかった。慎は、まさかここでもめるとは思ってもいなかったからだ。
「俺がかけるっていつ決めたんだよ? ここは公平にじゃん拳で決めようぜ!」
慎は渋々条件を飲んだ。
ーー結果は明らかだった。グーとチョキ、負けたのは慎だった。
「結局、俺かよ」
言葉ではこうは言ったものの、慎は自分が負けると、どこか心の中で思っていた。
慎は携帯を手にとった。
「でっ何番にかけるんだよ?」
「使われてない番号なんて、いくらでもあるだろ?」
勝負に勝った守が急かすように言った。
最初のコメントを投稿しよう!