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慎は携帯の番号を押し始めた。
090-0*0*-0*45
電話が繋がった。
聞き慣れた音声が、慎の耳の中に流れ始めた。
「お客様がおかけになった番号は現在使われていません。番号をお確かめになって、もう一度おかけ直し下さい」
誰もが人生の中で一度は聞いたことのある音声が流れた。
「なぁ、普通だぜ? これを十三回もやるのかよ?」
「十三回やらなきゃ駄目なんだって! いいから続けろよ」
慎は再び電話をかけた。
再びつながる回線。
「お客様がおかけになった番号は、現在使われていません。番号をお確かめになって、もう一度おかけ直し下さい」
三回目・・・
「お客様がおかけになった番号は、現在使われていません。番号をお確かめになって、もう一度おかけ直し下さい」
四回目・・・
五回目・・・
普通だ。何も可笑しなところは見つからない。慎は意味の無い行動に嫌気がさしてきた。
「なぁ? もう止めて帰ろうぜ? やっても意味無いって」
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