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「せっかく、ここまでやったんだから、最後までやろうぜ」
慎は不満を覚えながらも、再び電話をかけた。
この検証が動き始めたのは、ここからだった。
六回目・・・
「お客様がおかけになった番号は、現在使われていません。番号をお確かめになって、もう一度おかけ直し下さい」
「んっ・・・?」
慎は何かに気が付いた。先ほどの電話とは何処か違う違和感を覚えた。
ーー何か音がする。電話の音声の奥で微かに聞こえる小さな音。
「おい! 守、何か聞こえないか?」
慎は携帯を守に差し出した。
「何か聞こえるだって?」
守は携帯を受け取り、自分の耳に当てた。
「何だよ? 切れてんじゃん」
「えっ?」
慎は携帯を守から取り上げ自分の耳に押し当てた。
ーー電話は切れていた。
「俺切ってないぞ」
慎は自分の潔白を証明するかのように言った。
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