使われていない番号

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「いいからあと七回かけ直せよ」 慎は不思議に思いながらも、再び電話をかけた。 七回目・・・ ──やっぱりだ。先ほどと同じように、電話の奥で何かが聞こえる。その音は、先ほどよりもほんの少しだけ大きくなったように感じられた。 「おい! 守、やっぱり何か聞こえるぞ」 「何だよ? さっきから?」 守は慎の手から携帯を受け取ると、再び携帯を耳に当てた。 「だから切るなっていってんだろ」 「なっ・・?」 慎は守の手から携帯を取り上げ自分の耳に当てた。 ──電話はまた切れていた。 「どうして勝手に切れるんだ?」 慎は不思議に思いながらも作業を続けた。 八回目・・・ 九回目・・・ 十回目・・・ ──音の正体が分かった。電話の音だ。繰り返される音声の奥のほうで、電話がなっている。 「お客様のおかけになった・・・ 番号をお確かめになって・・・ もう一度おかけ直し下さい」
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