使われていない番号

8/9
前へ
/56ページ
次へ
電話の音は回を繰り返す度に大きくなっていった。 「電話の音だ・・・音声の奥で電話が鳴ってる」 「電話の中で電話が鳴ってるだって? ちょっと貸して」 慎は無駄だと思った。もう四回も渡しているが、全て無駄に終わったからだ。 そして、その予想は見事に的中した。また電話は切れていた。 慎は何も言わずに守の手から携帯を取り上げると、再び電話をかけた。 十一回目・・・ 十二回目・・・ 電話の音はついに、音声の音よりも大きくなった。 「十三回目・・・かけるぞ」 慎は十三回目の電話をかけた。音声は消えていた。その代わり電話の音だけが、携帯の中で鳴り響いていた。 そして、繋がらないはずの電話が繋がった。 「もしもし・・・?」 「お電話ありがとう御座います。13 call 、ゲーム参加を受け付けました。」 「ゲーム?」 「ゲームの詳細は時間を改めてまして、こちらから連絡いたします。それでは後程」
/56ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加