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電話の音は回を繰り返す度に大きくなっていった。
「電話の音だ・・・音声の奥で電話が鳴ってる」
「電話の中で電話が鳴ってるだって? ちょっと貸して」
慎は無駄だと思った。もう四回も渡しているが、全て無駄に終わったからだ。
そして、その予想は見事に的中した。また電話は切れていた。
慎は何も言わずに守の手から携帯を取り上げると、再び電話をかけた。
十一回目・・・
十二回目・・・
電話の音はついに、音声の音よりも大きくなった。
「十三回目・・・かけるぞ」
慎は十三回目の電話をかけた。音声は消えていた。その代わり電話の音だけが、携帯の中で鳴り響いていた。
そして、繋がらないはずの電話が繋がった。
「もしもし・・・?」
「お電話ありがとう御座います。13 call 、ゲーム参加を受け付けました。」
「ゲーム?」
「ゲームの詳細は時間を改めてまして、こちらから連絡いたします。それでは後程」
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