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そう言い残すと、電話は切れた。
「おっおい!」
「どうだった、慎?」
守が結果を聞きたくてうずうずしながら聞いた。
「ガセ! ガセだよ。なんもなかった」
「何だよ、ガセかよ。やっぱり噂は噂か、まっいいや、もう帰ろうぜ、日もだいぶ落ちてきたし」
「そっそうだな」
慎と守は自転車に乗り込んだ。そして、各々自分たちの家に向かって、ペダルをこぎはじめた。
「じゃあな、慎」
「あぁ」
慎は暗闇の中、今宵起こった出来事をかき消すかのように力いっぱいペダルをこいだ。
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