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「これは……」
「…………」
通路を出ると、そこには数十人に及ぶ、白衣を着た人間が所狭しと動き回る部屋があり、2人はその部屋の光景に驚いた。
部屋の奥には巨大な人型の何かがあり、いくつものコードが繋がれており、そのコードの先には、とても性能が高そうな機械に繋がれていた。
「――あれになります」
竜を連想させるような頭に、深い赤を貴重にした体、指先にあたる部分は鋭く尖っており、触れる物を全て引き裂きそうである。
全体的に細い体躯には、確かな一本の芯が通っており、力強さを感じさせる。
「我々をあれを“ゼロ”と呼称しています」
「ゼロ? なぜだ?」
ベルフェは、ゼロと呼ばれた物を見上げたまま問う。
「ここに運び込まれた当初は、何も解っていなかったからです。今朝になって、ようやく機械で出来ている事が解りました。いわゆるロボットです」
「ロボットだと!? こんな巨大な物がか!?」
シグレが目を見開いてサハルを見る。
「ええ、確かにロボットです。我々の今の技術力では、完全に同じ物を造る事はできませんが、ある程度までは造る事は出来ます」
「造るだと? なぜその必要がある」
ベルフェは、横目でサハルを睨みつける。
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