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「走れ!! 止まるな!! 出口まで走るんだ!!」
ユノアをお姫様抱っこの要領で抱きかかえているシグレが、逃げ惑う研究員たちの後ろから激を飛ばす。
「……シグレ……」
「……大丈夫……大丈夫だ……」
ユノアは不安そうな表情でシグレの服を掴み、シグレは額から汗を流しながら必死な表情で、自分とユノアに言い聞かせるように呟く。
「うあぁぁぁぁぁ!?」
前方から悲鳴が聞こえ、シグレと数人の研究員たちは立ち止まった。
前方では、何かに破壊されたのか砂塵が上がっていた。
砂塵が晴れてくると、前方の様子を確認したシグレは目を見開き、ユノアの顔を自分の胸に押し付けるように抱きかかえ、研究員たちは悲鳴を上げた。
砂塵が晴れたそこには、骨と肉が剥き出しになった研究員たちの体と、血が付いた白銀の剣があった。
研究員たちの体は直視が出来ない程にバラバラになり、体というよりは肉塊という表現があっていた。
床には血溜まりが広がり、顔の半分が潰れた頭部、胴体を切断され内蔵を床にバラまく体が転がっていた。
「……騒ぐな!! 生き残った者たちは、今すぐ後方に下がれ!!」
シグレは胸が張り裂けそうなぐらいの大声で叫んだ。
しかし、今まで共に生きてきた同僚の無残な死を目の当たりにした研究員たちに、シグレの言葉は届かなかった。
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