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「……給仕長が、あんた行ってきなさいと……」
その言葉を聞いた瞬間、ベルフェは食事を中断して頭を抱え込んだ。
「ど、どうしましたか!? ……ま、まさか、お食事に毒でも……!!」
フェイミは顔色を蒼白にして、頭を抱え込むベルフェへと駆け寄る。
「大丈夫だ。少し、頭痛がしただけだ」
ベルフェは片手で頭を支え、空いた片手をフェイミの方へと突き出して、止まるように促す。
だが、頭痛という言葉を聞いたフェイミは、立ち止まらずにベルフェへと詰め寄る。
「大丈夫じゃありません!! エルテリア様にもしもの事があったら困ります!! 早くお医者様に見ていただきましょう!!」
机を勢いよく叩くと、フェイミはベルフェへと顔を近づけた。
「大丈夫だと言っている。医者に見せる程ではない」
「ですが!! ……です……が……」
「どうした?」
突然、顔を赤くして黙りこくってしまったフェイミを、ベルフェは不思議そうに見つめる。
「あわ……あわわ……あわ……」
フェイミはゆっくりと顔を離すと、徐々に後ろに下がっていき、壁にぶつかると頭から湯気を出して固まってしまった。
その様子を見て、フェイミが心配になってきたベルフェはイスからゆっくりと立ち上がり、フェイミへと近づいていった。
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