侵略者

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 ――コンコン――  フェイミが出て行った数分後、執務室にはまた乾いた木を叩く音が響く。 「入れ」  ベルフェが促すと扉が開かれ、白い鎧を纏ったシグレが執務室へと入ってきた。 「なんの用だ?」  仕事がちょうど終わったらしく、ベルフェは書類を纏める。 「いやなに、今回のお前の世話役、ずいぶん面白そうなヤツだと思ってな」  シグレは扉から一直線に机へと向かい、書類が置いてない場所に腰掛ける。 「世話役? ああ、フェイミの事か。まあ、面白いヤツというのには同意だが、アイツはオレの世話役じゃない。ケイトのヤツがよこしただけだ」  ベルフェはイスから立ち上がると窓に近づき、そこから城下の街を見下ろす。  シグレはというと、ケイトという名前を聞いた途端、困ったように笑った。 「まあ、アイツならな。気分で仕事の割り当て変えるヤツだし」  シグレは書類を手に取ると、捲って目を通し始める。 「もう慣れたがな。ところで、こんな話をするために来たわけではあるまい?」  ベルフェが横目で見ると、シグレはニヤリと笑みをこぼす。 「察しがいいようで助かるな。お前に見てもらいたい物があるらしい。リバイバル博士がお前を呼んでる」 「サハル・リバイバルがか?」  ベルフェは体を完全にシグレへと向ける。 「そうだ。どうも、急な用事らしい」 「……分かった。すぐに向かおう。場所は研究施設でいいのか?」 「ああ、あの場所だ。それじゃ、早く行くか」 「ああ」  2人は執務室を出て、サハル・リバイバルがいる場所へと向かっ。
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