prolog

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その日は雨が降っていた。 雨は平等に雲がかかっている場所に降り注ぐ。 あたしは空を仰いでみたけれど、雨からあたしを守ってくれる物なんてなにもない。 「寒いな。」 小さく呟いてみる、でも誰にも届かない。 なんであたしは存在しているのだろ。 誰でもいい、あたしに存在する意味をくれ。 そう思いながらあたしは膝を抱えながら俯き目を閉じる。 すると雨が止んだ。 いや、雨の音は続いている。 あたしは顔をあげて目を開いてみる。 そこにはあたしと同じ歳ぐらいの男の子がいた。
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