羊飼いの少年と行き倒れの少女 ~またはとある勇者のプロローグ~
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静かな夕暮れ時、空は赤染まり白い雲はうっすら色づいている。 その下で生い茂った草が辺り一面 薄いオレンジ色に輝いていて、その中を俺は羊を引き連れて自分の家に帰ろうとしていた。 この道はいつもと変わらないはずなのに、どことなく知らない気がするのか 羊たちは落ち着きがなく、何かに怯えている様だった。 「おい、どうしたんだよ。 さっさと帰るぞ。」 俺は途中で立ち止まった羊を押しながら声をかける。
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