羊飼いの少年と行き倒れの少女 ~またはとある勇者のプロローグ~
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少し歩いたら止まり、また歩き出して止まる。 それを一匹ではなく ほとんどの羊たちが繰り返すので、一向に帰ることができない。 「なぁ、早く帰んないと夜になっちまう。 お願いだから動いてくれよ。」 俺の願いもむなしく羊たちは 「メ~」 と鳴くだけで動いてくれなかった。 普段なら率先して羊たちをまとめてくれる愛犬のアルでさえも今日は静かに、だがどことなく怯えているように立ち止まっている。
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