大嫌い

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大嫌い

隣に住む男は現在不良だ。黒い長めの髪に青いメッシュが所々に入っていて、顔もそこいらのモデルよりも整っていて、色気もあって身長もあるものだから、両手に花状態が幼稚園から続いている。 油井梓(ユイ アズサ)。それが隣に住む男の名前だ。 そして私の名前は、油井小真(ユイ コマ)。 同じ苗字だが、赤の他人だ。 でも親同士は仲が良くて、遊びに行ったり来たり、飲みに行ったり来たり。旅行にだって行っちゃう程に馬が会うらしく、今ではすっかり竹馬の友並に仲良しさん。 だけど勘違いしてもらっちゃ、困る。 親はどれほど仲良しさんでも子供の仲まで良いとは限らない。 私、油井小真は、油井梓と昔から比べられ軽くイジメにあっていた為、大嫌いである。 夕日の光が降り注ぐ図書室。誰も居ない事を良い事に、シクシク泣いていた。 泣いている理由は失恋したから。大好きだった彼は、学校で五番以内に入る程に可愛らしい容姿の持ち主だ。 それだけ聞けば諦められる理由に繋がると思う。 自分よりも遥かに可愛い女の子が好きな人の隣に居て、キスをしている場面見ちゃったら「諦めろ」と言われてるも同然。
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