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「小真が俺と別れるのは、死ぬ時だけだ。」
その時初めて、梓と付き合った事を後悔した。
「小真の全ては俺だけでいい。小真の目に映る世界も、小真の耳に入る音も、小真の周りに居る人間も、全部全部、」
狂ってる。
「ぜーんぶ俺のもの!」
高笑いする彼は狂気に満ち、狂喜で笑うその姿は、第三者の目から見れば喜劇にしか映らない。
ブラウスのボタンを全て引き裂かれ、その場で犯された。
一回に限らず、梓はリビングだろうとキッチンだろうとバスルームだろうとお構いなしに犯す。
いつの間にか、初めて入った梓の部屋で裸のまま梓と抱き合って寝ていた。先に起きたのは私の方だった。
辺りを見回して、自分の部屋とは違う家具の配置や、あったりなかったりする小物や本。
それから、大きなコルクボード一杯に張り巡らせた、私の隠し撮り写真。と、私が好きだった彼の写真にはダーツの矢が刺さっていた。
「―――あいつムカつく。」
「………え。」
いつ起きたのか梓は、私が見ていた物を説明するかのように、重々しい口を開く。
「あいつだけじゃない。小真に関わる全ての野郎がムカつく。キレて暴れたい。」
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