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ケンケンの苦労
テイク1
「ミキーー!!!!今日は何する??」
しょーたは、ニコニコしながら、幹の首に後ろから腕を回して抱き着いた。
「むっ、しょーたにケンケンおはよう。しょーた、ぬかりはない、今日することはすでに考えてある。」
「さっすがミキーー!で、今日は何する??」
「はぁー……。」
「これを見ろ。」
「ん~~?」
しょーたと健太は、幹が持っている袋の中を覗いた。
「っ!?」
「わぁ、かえるさんだ。」
そう、幹は、わざわざ、40匹も蛙を捕まえてきたのだ。
「すごいよ!!幹って何でも出来るんだね!!」
「世辞はよせ。」
「お世辞じゃないよ本当だよ。」
幹は無表情だが、しょーたは楽しそうに話している。
「うげーー。」
何で二人は大丈夫なのだろう。袋に何十匹の蛙がうごめいてるというのに……
「早速、やるぞ。」
「ラジャー!!!」
「はぁ…。」
三人が向かったのは靴箱だ。
今の時間は8:00、この学校には、人がほとんどいない時間帯。
「しょーたはあっちで、ケンケンはそっち、俺はコッチだ。」
しょーたは実に楽しそうなのだが、俺は吐きそうなのを我慢し左側の端っこに蛙をばらまいた。
そして、待つこと50分いいぐわいに蛙達は散らばっていた。
「な、なんじゃこりゃーー!!」
次々に現れる生徒は驚きに声を上げた。
靴箱は緑の生き物が跳びはねていて、気持ち悪くならない人はいないだろう。
「明日は、何する??」
「作戦会議で決めよう。」
「はい!!!隊長!!!」
「はぁー…」
ケンケンの苦労はつきません。
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