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歓迎会まであと1日という今日この頃、歓迎会までまちきれず暴れだした輩は数知れず。その輩の中には勿論西中トップである廉もいた。
廉は、暇さえあれば喧嘩するほど血気盛んなのだ。歓迎会は、一年と二年の乱闘だが、東中の奴らを見たら、頭より先に体が動いてしまうのだ。
今日は、取り巻きはおらず、一人で黒沼の生徒が誰かいないか探していたのだ。
そして、公園の砂場に黒沼の制服を着ている少年をみつけた。
いたけど…よわそ~…あんなひょろっこい奴じゃ楽しめないだろ。
そう思い、通り過ぎる廉、しかし聞こえてきた会話に耳を疑い思わず足が止まってしまった。
「あなた、ご飯残しちゃだめでしょ。」
幼稚園生の女の子が目の前に座っている少年に、砂だんごを指して言う。
「むっ、すまない。善処しよう。」
そういって、少年は目の前の女の子に謝った。
おいおいおい!!?
あいつ、あんな小さい子となにやってんのーー!!?
あれが世に言うロリコン!?
なにあれ、なにあれ、おままごとー!?
「あら、お父さん息子が帰ってきましたよ。」
女の子が、廉を指差して言う。
「息子よ、帰ってきたら、ただいまといいなさい。」
シートに座り、お茶を飲んで一息ついてる真似をしながら少年が廉に向かっていう。
「おれ!?」
廉は自分を指差していった。
「あなたしかいないでしょ?」
「息子よおかえり。」
な、何だこいつらっ…
ずりずりずり
若干引きずられる様に強制的に砂場にあるピンクのシートに座らされた。
幼稚園生くらいの女の子を殴るわけには行かないので、ついていくしかなかったのだ。
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