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「はいっ、れんちゃんご飯ですよ。」
目の前には、にこにこと嬉しそうに、砂でできただんごを渡してくる女の子。
こんなことプライドが許さないのだが、女の子からは純粋に遊んで欲しいという気持ちが伝わり、強引に抜け出るのもできずにいた。
「れんちゃんあーん。」
そして、俺と同じ学校の男。こいつは本当に謎だらけだ。
こいつは馬鹿なのか?アホなのか?
今幹は、一生懸命に廉の口に砂だんごをいれようとしていた。だが、廉は口をあけるはずがなかった。
ぐぐぐっと口に押し付けている。
ぶちっ
「ふざけんなぁー!!こんなどろだんご食えるかぁー!!!」
堪忍袋の緒もきれて、幹の手ごとだんごを弾いた。
しかし、幹はこの時廉にすごい力で押し付けていたので反動で前に倒れた。
ボスッ
反射で幹を受け止めてしまい、座っていたので踏ん張りがつかず一緒に倒れ込んでしまった。
若干頭をぶつけてしまい、いてて…と唸る。そして目を開けるとそこには幹のドアップが…
そこで、自分がこの少年の顔をあまり見てなかった事に気がついた。
ドクドク ドクドク
かぁっと廉の顔が赤くなるのが分かった。なんせ、ここまで美しくてはかない存在は見たことがなかった。
「お、おい、だ、大丈夫か?」
起き上がりながら聞く。
「あー!!!だめ!!みきちゃんは、みみのなの!れんちゃん取っちゃだめ!!」
口を膨らませて、手を腰に当てながらいう。
そして廉は、その女の子の様子にニヤっと笑い、今こそ復讐の時だと思い、幹を担ぎ上げた。
ニヤニヤと笑いながら女の子にいう。
「すまんな母さん、俺は父さんを好きになったみたいだから父さんを貰うな。」
その言葉を聞き女の子は泣くき始めてしまった。
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