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や…やべぇ…
泣き出しやがった、だから子供は嫌いなんだよぉ!
「お、おい、お前何とかしろよ、こいつの夫なんだろ?」
廉は、腕に抱く少年に若干焦りながら聞くと、少年は冷静に答えた。
「母さん、息子にも反抗期がきたんだ。謝るんだ息子よ」
「お、おう。か、かあさん、すまん」
何故俺がガキにつきあわねぇといけないんだよ!!
「ばかもの。誰がそのまま謝れといった。たかいたかいを忘れるな。」
たかいたかいだと!?なんて、めんどくさいがきなんだ……
チッ、とわずかに舌打ちをして、幹を下ろし、女の子の脇に手をいれて持ち上げる。
「た、たかいたか~い。たかいたか~い。」
すると、あんなに泣いていたのが嘘の様に、ピタッと泣き止みきゃはははと笑って喜んでいる。
「俺も、俺も。」
なにぃ!こいつもぉ!
しかし、廉は幹に頼まれると何故かどうしても断れないのだ。
でも、女の子もまだあたしがしてるからダメ!!と、幹にいうものだから、少し考えて、女の子を、片腕にぶら下がらせて、もう片方に幹をぶら下がらせて、二人をぶら下がらせたまま、回しはじめた。
「たのし~い!!もっともっと!!」
「わーい、わーい。」
しかし、廉は気づいてなかった。周りからみたら怖い不良が女の子と少年を振り回すシュールな光景になってることに。
「もっと回して、もっと!もっと!」
「おう。」
ブォンブォン
しばらくして、廉は公園の入口に人が立っているのが見えた。そして驚愕した。なんと、その男は、中学時代どっちが強いか闘いあった男 佐賀 宏和 がビックリした顔でたっているじゃないか。
驚いて、急に止まってしまった。
「もぉ!!止まっちゃダメ!れんちゃん動いて!動いて!」
「コラッ、お母さんの言うこと聞きなさい。」
宏和は、その二人の会話を聞き誤解してしまった。
「………ロ、ロリコン……」
「違う!!」
何とか弁解しようとするが二人が手をはなさない。
「は・な・せー!なんで無駄に力が強いんだよ!!」
そう、幹は無駄に力が強かった。裏を返せば、怪力である事と、顔がいい事しか取り柄がないのだ。
そうこうして、三人ぎゃーぎゃーしてるうちに、宏和はいなくなっていた。
「誤解だぁー!!!」
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