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がっ、ぐぁっ、とそこらじゅうで嫌な音がする。校庭も教室も廊下も、乱闘が繰り広げられていた。
三年のいる3階は対象外である。
そんな、乱闘が繰り広げられている校舎の屋上には、黒沼高校のトップと幹部二人が会話を楽しんでいた。
黒沼高校のトップである三年の海道 葉(カイドウ ヨウ)は、戦況を聞きながらトランプをして楽しんでいた。
「おい、葉の弟が一年にいるってのは本当か?」
幹部の逞、通称タクさんは、葉のカードを引きながら答えた。
「おう、チョーラブリィだぜぇ~」
そして、カードを二枚捨てて、隣にいるもう一人の幹部のカードを抜く。
「ほぅ、ラブリィだとお~、それは見なきゃ損だぜぇ。」
ほいっ、といいながら、もう一人の三年の幹部である 近藤 翔(コンドウ カケル)は、逞からカードを抜いた。
「しっかし、葉の弟がラブリィって想像できねぇよ、こんな怖い男の弟がラブリィって犯罪じねぇ?」
「俺も、そう思う」
「あ?しょうがねぇだろ?あいつが可愛すぎなんだよ。それに、あいつブラコンだし。」
そういって、またカードを二枚捨てた。
「ブラコンって葉じゃん。」
あ~がり!っと翔はカードを全部すてた。
「あーー!!てめぇ、ババを渡しやがったなぁ!」
「違うよ、タクが勝手にとったんじゃん!てことで、俺が歓迎会の覗きに行ってくるぜぇ!」
ばっ、と勢いよく立ち上がり、屋上を翔はおりていった。
「えー、俺がいきたかったのに!」
「お前は、弟に会いたいだけだろ。それに、トップがんなうろついちゃダメだろうが」
あがり、と今度は逞が手札を全部すてた。
「え~!また負けた。俺一度も勝てたこと無いんだけど!?」
そういって、ガ~ンというポウズをとって自分のカードを見つめた。
「なんでなんだ………」
ガックリ
「……だって、お前、全部顔にでてるし」
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