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がさごそ
がさごそ
現在の時間は3時。そうなのだ、3時は、幹のおやつの時間だった。毎日毎日きっかり3時には必ずお菓子を食べているのだ。
ぱりぱりぱり
もぐもぐ
おやつを食べてしばらくすると、ドカーン!!と何かをたたき付ける音が響いた。幹が音のした方向をみると、三人の男がにやにやと下品な笑い方をしながら近づいて来る。
「なーにしてるのかなぁ~?」
「ギャハハハ!」
「俺達もま~ぜ~て~♪」
どすどすと、だらけた歩き方で近ずいて来る。
もぐもぐ
「お? おひょー!ちょー美人!!」
「ギャハハハ!」
「うーまそー」
もぐもぐ
三人が幹まであと机2個分の距離まで近づいた時に、ガラッと教室の前の扉があいた。
そこには、弱々しい少年が立っていた。その少年は、さっきまで三人に追いかけられていた少年である。
名前を佐藤 望 という。
「あ…あの~、み、幹君に手を出さないで、ほ、ほしいです…。」
「あ?」
「あ゙?」
「あ゙~?」
三人は凄んで佐藤に脅しをかける。
「ひぃ~!
こわいです~!」
ひゅんっ!と音がするように、幹の後ろに隠れてしまった。
面白いほど怖がる佐藤にギャハギャハ笑い幹に近づく。
「だ、だめ!」
ふるふると、子犬のように震えながら三人にいう。
「み、幹君に、て、手を出したら、ゆ、許さない……!」
幹の後ろに隠れながらいう佐藤君に余計に笑い出す三人。
「そうかぁ、なら、お前から相手してやんよ」
三人は、幹ではなく、また佐藤君に標的を変えた。
「ひぃ~!」
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