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普段学校をサボる生徒も今日はかなり登校していた。
今日が入学式だからである。しかし、別に入学してきた一年を祝うわけではない、黒沼高校は不良が多いだけあって新しく入ってきた一年をどんな奴が来るのかを見に来たのだ。
今年入ってきた一年は、なかなか手ごわそうな奴ばかりだと、2・3年は思った。
何百人の視線をものともせずにゆっくりて歩く集団がいた。
「おい、あれ東中の奴らじゃね」
そう騒がれているのは、その集団のトップであろう男。
佐賀 宏和(サガヒロカズ)
仲のよい奴らは愛称でカズとよんでいた。 男前な顔つきだが、野生の獣を連想するであろう鋭い目付き、髪は、白っぽい銀髪である。普通の人が銀髪にすると微妙なところだが、宏和がすると、堀の深い顔に妙にマッチしているのだ。
その、集団の4㍍後方には、東中のライバルである西中の連中が歩いていた。西中のトップもかなり有名で名前を
八神 廉(ヤガミ レン)
190は超えてるだろう体格に、金髪の頭、耳には、かなりのピアス。そして、やはり男前であった。
着々と体育館に人が集まりだしているなか、今までとは、違うざわめきがおきた。
「あいつ、行く高校間違えてんじゃねぇの」
「場違いっしょ。」
現れたのは、なんとも美しい男だった。
こんな汚い不良校には馴染みのなさそうな出で立ちなのだ。
スタスタスタ
しかし、何故か体育館ではなく美少年は、全く違う方向に歩いていた。
「あいつ、どこ行ってんだよ!」
「あいつ、やべぇぞタクさんにぶつかった!」
美少年は、明らかに違う方向に歩き、あろうことか、黒沼高校の幹部の一人にぶつかったのだ。
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