☆HR☆

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「むーむー」 なぜだ? なぜ俺の前の席は空いているんだろう? 「むーむー、唸ってどうしたんだよ、ついにバカ過ぎて頭おかしくなったか?」 「なんだと!?」 この嫌みったらしい男は、 工藤 健太(クドウ ケンタ) 俺の幼なじみだ。自分だって馬鹿だからこんな学校にいるくせに、いつも俺の面倒を見ようとして弟あつかいするんだ。  因みに、小さい頃からケンケンと俺だけ呼んでる。 「 しねーー!! 」 ケンケンに勢いよく蹴りを打ち込む。しかし、いつもの様にパシッと捕まれる。 俺は最近、真剣に悩んでいた。ケンケンは実はサイボーグじゃないんだろうか。ケンケンはすごい。人間技じゃない。 「しょーた、無駄な事はやめとけ。」 「うぐぐぐ」 俺が、ケンケンに勝てる日は来るのだろうか……。 はぁ、と溜息をついて席に戻ると 「あーー!!」 俺の大声にケンケンがうるせぇと殴ったが気にしない。 「ケンケン!こいつ!俺の前で、入学式いなかった!!」 「お前の言葉を解説出来るのは俺だけだと思う。」 「おいっ、お前、なんで入学式来なかったんだよ?」 前の席の奴の前にまわりこむ。 「あーー!!いいなぁ!俺にも一個くれ!!」 なんと、前の席の奴は、高級そうな和菓子をむしゃむしゃと食べていた。しかも、あと7個もある。信じられない!いいなぁ~、俺和菓子好きなんだ。 すると、ごっくんと和菓子を飲み込んで、コッチをみた。 っ!? なにこいつ、まさか!ケンケンとおんなじサイボーグ!?どうやったらここまで完璧な顔になれるの!? 「むっ、これが欲しいか?」 「うん!」 ぶんぶんと頭を何度も上下にふる。 「うむ、なら百円と交換だ。」 「えっ!?いいのか?そんな安くて。」 「あぁ、ちょうどガチャガチャがしたい気分なんだ。」 「わかるわかる!!俺も大好き!でも、俺ガチャポンって呼ぶ。」 初めて、同じ趣味の奴に出会えた。うれしーーな。 それから、いろんな話しをした。ここまで話しが通じる人は初めてですげくうれしかった。 「……ガキがふえた。」 ケンケンが何か言ったけど気にしない。俺、こいつと親友になれるかも。
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