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クチュクチュと二人の唾液が混ざる音がする息の吸い方が分からない二人は、息の限界で唇を離す。 「てっめぇ、ふざけんなよ!」 「良いじゃん、横矢も勉強になるし、彼女には下手だって言われたくないだろ?」 「…そりゃそうだけど、俺とお前は男同士。見られたらゲイだのホモだの言われるだろ。そしたら彼女にも…」 「大丈夫だろ。イチが居るから良い隠れ蓑になる」 「あぁ、イチね……」 イチ…一流とかいてイチと呼ぶ、俺のクラスメート。同じクラスの伊藤に恋をしてアタックしている。 「つってもあいつら付き合ってもいないし、毎日イチが告白して振られてるだけだろ」 どこが隠れ蓑だ。 「だから、キスしてる所を見られてもイチ達に事故でもなんでも良いから、キスさせたらあっちに注目いくだろ」 「イチはともかく伊藤が可哀想だろ」 「そうか?なんだかんだ言ってイチと友達なんだから大丈夫だろ」 「お前なぁ……」 「横矢は興味ない?いろんな事に」 本だけの知識なんて実践がなければ、本番では意味がない。 俺もお前も、完璧主義だから―― 今度は俺からキスをしかけた。
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