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「うぃ?何でかなぁ…?本来は私もボケ側にいるべきじゃぁ…」
「まぁいいじゃないですか。とりあえず自己紹介をしましょう…。僕の名前はエルキドゥ、神様です」
え?エルキドゥとは確か…。
「ええ、その通りです。僕はメソポタミアの英雄王ギルガメッシュの親友にして好敵手、エルキドゥです」
俺達兄妹がよく知るゲームにもギルガメッシュが使っていた鎖の名前として出て来る。一見普通の美青年に見えるが、名前を聞いた途端何か特別な存在に見えてくる気がした。
「ほ、ほぇー。確かエルキドゥさんは他の神様に土に戻されたとありましたが…」
「ええ、ですが最近…というよりも1000年くらい前ですが、最高神様に位はそこまで高くはありませんが神に格上げされましてね。日頃今まで神としての責務を真っ当しています」
「そうだったのか、疑ってすまなかったな…って、俺いつの間にか神様って認識してる…」
「まあまあ、気にしたら負けだよお兄ちゃん、RELAX(*^-')b」
まあ…いいか。
「気を取り直して、えぇっと、私の名前は………あれ?私の名前…名前…名……な……私は誰だ?」
「ちょ、お兄ちゃんが記憶喪失ぅー!?」
「いや待て。今思い出す、本気で、私の名前、名前…名前……名前………名前…………」
「ちょっまっ、3点リーダ増えてってる!?」
何故だろう、意識した瞬間に確実に自分と妹の名前だけ綺麗さっぱり忘れてしまっていた。
「おい愚妹、自分のと私の名前を言ってみろ」
「んん?お兄ちゃん何いってるのぉ?そんなの簡単に言え………あれ……え、ええぇえぇぇ!??????」
おそらく我が妹も自分達の名前だけを忘れてしまったのだろう。
不可解な出来事に、まず私は彼、神であるエルキドゥを見た。
だが彼は、先程のような冗談の通じるお気楽な好青年とは打って変わり、とても真面目は表情をしていた。
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