カミサマはABoyなのでした

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「何か、言いたい事がありそうだな…」 「……はい」 その時の彼の表情は、とても重いものだった。 まるで他人の苦悩を自分の事であるかのように…、唯我独尊、自己中心なギルガメッシュとは変わって全く違う性格だ。 「な、何ですかこの空気、シスターは少々焦りぎみなのです!」 相変わらず妹の醸すボケは変わらず仕舞いだったが…。 「コホン……、これから話す事は落ち着いて、しっかりと聞いて下さい」 そう言って彼は、これまでの行き先を話し始めた………。 /** **/ 「うわぁー――!奈々さんのNewアルバムア〇ゾンで事前予約してたのにぃー!それにまだAn〇el Bea〇sも全話見てないし、それにそれに同人の原稿まだ書き終わってなぁぁぁぁい!」 そこには、煩悩ただよう残留私念ありまくりの妹が泣き叫んでいた。 「落ち着けよ我が愚妹、私達が'死んだ'事実はどう足掻こうとも覆す事は出来ない」 「ううぅ、分かってるけどぉ…」 「自分が死んでしまったのにそんなシンプルでポジティブで冷静な反応を示すなんて、ちょっとズレてません?」 そう言うな、と聞こえているであろう心の中でそう呟き、先程話された内容を再び思い返してみる。 彼、エルキドゥいわく、私達兄妹は山中の崖から転落して死んだのだとか。 私もそう言われて思い出してみるも、なんだか釈然としない、多分そうだった気がする…程度くらいでしか解釈出来なかった。 だが、彼の説明の中で発した内容に流石の私でも戸惑いを感じた。 その内容というのが。 「とても言いづらいのですが…、本来貴方達はあの場で死亡するような事は本来、無かったのです」 その言葉に私は食いつき、彼に何故私達が本来無かったはずなのに結局死んでしまったのか、原因を問いただしてみると。 「おそらくはイレギュラーが原因です…」
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