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  母が病院に運び込まれた病院。 そこではもう一人の母親が、一足早く分娩室で出産に耐えていた。 その人は僕の家の隣りの家の人で、あの日は定期的にお腹の子の様子をみるために病院を訪れていたのだという。 まだ出産予定日には早かったが、不意に来た陣痛で医者から運び込まれ、僕の母とほぼ同時刻に出産に入った。 お腹の子はひどく弱々しく、出産はそれなりに危うい状態であったらしい。 しかし熟練の産婦人科医医の適切な処置を受け、無事に彼女は取り出された。 4月1日 23時49分。 体重2448グラム。 彼女は生まれた。  
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