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彼女も先輩と呼ばれるのを嫌がっていた。
先輩後輩はやめて、互いに小さいときから使ってる呼び名でいいと言ってくれた。
それでも、周りの目がある。
だから僕は学校内でだけは先輩と呼ぶとして、彼女を納得させた。
おかしな話だ。
先輩と呼ぶのに違和感を感じているのに、僕は自分から彼女を先輩と呼ぶことに決めたのだ。
それからの僕と彼女の関係は高校に入ってからも変わらない。
変わったことといえば、僕が女の子の部屋に入るのが恥ずかしくなってきて、彼女の部屋に行かなくなったことだろうか。
その代わり、彼女の方が頻繁に僕の部屋に来るようになった。
今も、高校3年生の教科書と、名門大学校の赤本とを見比べて眉間にしわを寄せていた。
高校2年生の僕は彼女が持ってきた他の教科書をめくり、何となく内容を把握する。
しょっちゅう読んでいたおかげで3年生の問題でもだいたいは解けそうだった。
これで来年の成績は安泰だ。
彼女とは同じ高校に通っている。
別に合わせたわけじゃない。
彼女は一生懸命に努力して県一番の公立高校に入学し、成績の良かった僕は単にそこ一択だったというだけだ。
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