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ニアリスは大きなため息をついた。
「ソラリス姉さんはいつもそうなんだから……」
「ちょっと~。それってどういうことよ~」
「レン君とティニーちゃんには甘過ぎるってことです。二人の事になると「あーもう聞きたくなーい」
ソラリスは耳を塞ぎ、ニアリスの話を強引に中断させるがソラリスはそれでも怯まない
「大体姉さんは、仮にもギルドをまとめる立場にいる人間ですよ? たしかに今は一般ギルド員として任務をこなしてますが、ギルドマスターが不在の間は、姉さんが"代理"として《セレスティアウィング》の指揮権をもつと言うことなんですよ?
この意味を理解しているのですか? ギルドマスターならばギルド員の実力や体調を考慮して、その人の実力に見合った依頼を承諾するのが「わーわーわー」
ソラリスは逃げるように奥の部屋に逃げ込むと鍵をしめて立て籠った。
ニアリスはまだ何か言いたそうな顔をしていたが、すぐに気を取り直してレンとティニーの方に声をかけた
「レン君、ティニーちゃん。今回の受諾書ですが」
「今回は師匠が書くみたいですね」
「……聞こえてましたか」
「いえ。ですが、師匠が部屋に立て籠る時はいつも受諾書絡みですからね。それに……」
レンはニアリスの額に指を向け、ティニーが鏡を持ってくる
そこには、
『今回の件はギルマス代理としての命令だよ~ん! はぁと
なので、とっとと部屋に向かわせてね』
と、書かれていた。
ご丁寧に油性で直接書かれている。
「「「……」」」
ニアリスは憎々しげに"マスター部屋"と書かれた札が下げられている扉を睨み付け、観念して言った。
「はぁ……。それじゃ、ギルドマスター"代理"の部屋にどうぞ」
代理の部分を強調して言うと、あっさりと引き下がった。
レンとティニーは同情するような目線を向け、一礼して部屋に向かっていった。
結局、ニアリスも二人には甘いのである
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