24人が本棚に入れています
本棚に追加
「依頼書の内容に問題はありません」
と、青い髪の少女。
「自分達の実力はあなたがよく知っていますよね?ニアリスさん」
と、赤い髪の青年。
ニアリスと呼ばれた受付嬢は、この二人の事をよく知っていた。
それ故にニアリスは、この依頼に困惑していたのだ。
「いや……。それはそうですけど……。場所が場所ですから……。」
「だから、自分達がこの依頼を受けるんですよ」
「ランク的には問題無いですし」
青年と少女はかたくなに依頼を受けようとするが、ニアリスは一行に受理しようとしない。この依頼をさせたくないのだ。
「まぁまぁ、させたいならさせたらいいじゃないか」
ニアリスが渋っていると、不意に声がかかる
ニアリスは、その声だけで誰なのか把握した。無論、『セレスティアウィング』に所属するギルド員なら誰でも知っている声だ。
ニアリスは二人の背後に目をやると、見知った顔が書類を覗き込もうとしている姿を見た。
背丈は青年と同じくらいのやせ形。何も映し出さない黒い瞳は相変わらず、何処を見ているのか判らなかった。
最初のコメントを投稿しよう!