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「ソラリス姉さん……」
「やほー、ニアリス~。今帰った~」
そう言うとソラリスは、少女を両腕で抱きしめ、自らの胸に引き寄せる。
少女はその腕を振りほどこうとするが、ソラリスの腕はびくともしない。
青年とニアリスは、またか…。というような顔をしていた。
「あ~、もうフェイトちゃんは抱き心地最高で可愛いわ~。もう、このまま持ち帰りたいくらい!」
「私は"フェイト"じゃなくて"デスティニー"です! いい加減覚えてください!! あと、私は《運命》なんてだいっっ嫌い!」
「あら。"デスティニー"だって《運命》って意味なのよ? それに、"デスティニー"だから"ティニー"なんて呼ぶより"フェイト"の方が可愛いじゃない!」
「ああ言えばこう言う……。レンー! 見てないで助けてよ!」
「すまん。オレには師匠を止めれるほどの力は無いんだ」
「ソラリス姉さん。もうそこら辺に……。後が詰まっているんですから」
ニアリスに促され、名残惜しそうにティニーを開放する。
開放されたティニーはというと、レンに向かって殴りかかっていた。
「この薄情者ー!!」
「オレはまだやりたいことがまだまだあるんだ! こんな所では死ねない!」
「うるさいうるさい! 私より弱いくせに口答えすんな!」
レンとティニーはその場ケンカを始め、ギルドの外へと移動していった。
ソラリスとニアリスは、その二人を暖かい眼で見守っていた。
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