ちょっとした真理

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昔々、玄という国がありまして。 そこの王は、とてもとても欲深い王様でした。 手に入れた物には目もくれず、別の何かを求めるのです。 領土を求め、領土を得て。国を求め、国を得たのであります。 王は言いました。 「有り余る程の、資源を欲す」 「有り余る程とは無茶な」と、十二人の臣下は思い、こればかりとはと王を見捨てようとしました。 そんな時、十三人目の臣下は申し立てました。 「おお、王よ。貴方は何故ここまでの富を得て、領土を得て、民を得たというのに無謀な事を申す?」 王は憂いておりました。 今まで自分が手に入れる事ができた物が、手にできずと云われた事、大変憂いを感じておりまして、 臣下の言葉にこう返したのであります。 「我、玄を有する者なりて、反逆の意を込める者、即ち死を表す物と知れ」 この言葉に臣下は唖然とし、ただ黙々と従う事としました。 ただ、十三人目の臣下はこう申したのです。
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