ちょっとした真理

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「王よ、何を求めんとす」 王はその言葉に、揚々たる声をあげます。 「我、有り余る程の資源を欲す」 その言葉に、十三人目の臣下は、「御意。一晩待たれよ」と申し、やがて姿を消したのであります。 - 翌日、明朝の事であります。 なんと玄を囲む溢れんばかりの木々、王の前に置かれた山ほどの金塊、大量の肉。 十二人の臣下は、目を丸くし、ただ息を呑む事しかできませんでした。 「有り余る程の資源でございます」 十三人目の臣下は王にお気に召したか? と問うと、王は満足そうな顔をして、次の物を欲しました。 「我、若さを欲す」 なんと、と心底呆れ果てた十二人の臣下は、もうただ寡黙にして何も云うまい。と、硬く口を閉ざしたのでありますが、 十三人目の臣下、「御意。一晩待たれよ」と二たび申し、また姿を消したのであります。
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