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「なんてこった……七瀬が絡んでくるって事は、製作者の仕業に違いない。奴らは本気だぞ!」
「どうやら先程の君達の予想は、ほぼ的中と見て間違いないようだな。草原の彼方に見えているとなれば、敵軍は早くて二時間程でグレース領域内の草原に迫ってくるだろう」
聖也とカイルは目を見合わせ、来るべき時が来た事を知った。
それは輝樹達にも伝染し、全員が覚悟へと向き合うこととなる。
「どうするんだ?いざとなれば、俺達も戦うしかない」
「そうだな。グレース草原で、前代未聞の大戦争が始まるぞ。君達六人は、私が見込んだ優秀なプレイヤーだ。頼む、協力してくれ」
カイルはいつにない真剣な表情で、輝樹達に頼みこんだ。
それは知り合いとしてではなく、この世界の平和を維持する組織の長としての正式な依頼だった。
「現実世界の危機も迫ってるんや……やるしかないで」
「私と聖也も、オーケーだよ」
全員が一致団結し、七瀬零の軍団に立ち向かう事を決心した。
もう迷いも、時間の猶予もない事を誰もが悟っているのだ。
「ありがとう。そうと決まれば我々は出撃の準備をする。君達も、この街で準備やアイテムの補給を万全にしておいてくれ。後で門の外で落ち合おう!」
それだけ言い残し、カイルは早足に部屋を出て行った。
輝樹達は少しずつ冷静さを取り戻しつつも、高鳴る鼓動は抑えられずにいた。
「事態は思った以上に深刻になってきたな……大戦争だって」
「ここまで来ちまったら、後には引けないな。やるだけやろう」
全員が意気込む中、輝樹は一人、浮かない表情をしていた。そんな心の内を見透かすかのように、紅が優しく語りかけた。
「大丈夫。今からみんなを、この街のある場所へ案内するね」
「ん?……なるほどな。輝樹達ならあそこへ行っても大丈夫か」
紅と聖也はうなずき合い、四人にひとまずここから出るように促す。
訳が分からないまま首を傾げる輝樹。だが安心感を持って、輝樹達は足早に部屋を出て行った。
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