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「完了しました」
輝樹達は、この世界に初めて来たときと同様、今度はその場で青い光に包まれた。光が薄れるにつれて、四人の新しい姿が徐々に現れる。
全員の光が完全に消えたと同時に、教官は固く閉ざしていた目を開ける。
輝樹達を見渡しゆっくりと頷くと、やがて口を開いた。
「転職は正常に行われました……これから各職業の説明に入ります」
それぞれが自分の装備と武器を興味深く眺めているが、耳はしっかりと教官に傾けていた。
「まず、桜井輝樹の[双月の踊り手]。この職業は[双剣使い]の強化型であり、二本の剣を用いた戦術でこれまで以上の強力な連続攻撃が繰り出せます。
更に、新スキル『剣士の暴走』を取得しました。このスキルは[双月の踊り手]専用の固有スキルであり、自身のHPを五割削る事で攻撃力を飛躍的に上昇させるものです。非常に危険なスキルですが、使いこなせば貴方の大きな助けとなります……精進してください」
「わかりました。頑張ってみます」
輝樹の服装は、所々に曲がりくねった赤いラインの入った白いコートを着込んでいた。耳に銀色の輝くピアスを着け、腰には銀色の刀身に赤い装飾が施された美しくも禍々しい剣が二本下がっている。剣は建物に差し込む光を受け、眩い光を放っている。
「次に、夢見連夜の[夜の支配人]。暗い闇に紛れ、敵の急所を正確に狙う事の出来る職業です。[冒険家]の強化型で、ナイフによる素早い接近戦と弓を用いた的確な遠距離攻撃で、戦闘においても大きな活躍が期待出来るでしょう。取得固有スキルは、『鷹の目』。MPを七割消費し、一時的にクリティカルヒット発生率を高めます。強力なスキルと組み合わせれば、一気に敵を殲滅する事も可能です。欠点としてはMPがあっという間に尽きるので、使うタイミングを間違えないよう、いつも冷静さを保つ事を忘れないでください」
「了解です。努力します!」
連夜の外見は、真っ黒なマント付きの衣を身にまとっていた。紫色に光輝く指輪を薬指にはめ、赤く輝くナイフと銀色の光を放つ弓を装備していた。
血のように真っ赤なナイフは剣と間違えるほど大振りな造りであり、弓の方は展開すると倍以上の大きさになる。
だが、その重量はプラスチック製かと思えるほど軽かった。
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