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首にチリチリとした痛みと生ぬるい液体が首に伝ったのがわかった
液体を手に取り見ると、それは赤黒い血
そして目の前には私の血がついている刃物を握っている迷彩男
「イヤ、や、やめて……」
迷彩男は無言で切りつけてくる
涙と恐怖で声がかすむ
「た、助けて
私なにも、なにもしてない!」
犬のように這いずり回る私の姿はさぞ滑稽だろう
「止めよ!!」
真田さんが物凄い覇気で怒鳴り私と迷彩男の間に入ってきた
「お主、早く名を言うのだ そうでなければ某はココを退かなければならない」
私は血と涙を流しながら答えた
「答えられる、わけ ないじゃないですか」
「何故だ!」
「私は、私がわからない!
教えてください…
私はなんて言う名前で、何処の病院患者なんですか…
自分の名前がわからないのに何処の患者とか、そんなの警察に電話して早く私を病院に連れていって下さいよ…!
どうして私が名前が答えられないだけで殺されなきゃいけないんですか」
私はありったけの疑問をぶつけた
真田さんが私に首を傾け真剣な顔で
「名が、わからぬのか? それに病院、警察? 電話するとはどういう意味だ」
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