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ぴくりと眉を上げた男の人がまた問いを投げ掛けてきた
「何故そのような事を言う」
私だってわかる筈がないじゃん
だって私じゃないんだから
「私じゃない私が生きてる意味ない…から」
悲しい 悲しい 涙が止まらない
「……何処の者だ」
わかるわけないじゃない
「名は、なんと申す」
知る筈ないじゃない
聞きたいじゃない もう何も知りたくない
私が誰で 私が今居る場所 私が生きてる事すべてが夢だと信じこみたい
この馬鹿な記憶喪失の夢を終わらせたい
その時突風が私を襲ったと同時に首に激痛がはしった
男の人が驚いた顔して
なにか叫んでる
目の前が真っ暗になった
痛い、首が痛い
痛みが生きてると感じさせてくれる
体が、心が、痛い
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