からかさお化け

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「…決めた、私があなた達のためにあなた達を捨てた人間達を懲らしめる」 …誰が捨てたかなんて分からないから、誰を対象にすれば良いかなんて分からないけど。 「それにしても…どうすれば良いのかな…」 「グルル…」 「ひゃうん!?」 私は捨てられた物達に人間達を懲らしめるなんて宣言しちゃったけど、どうすれば良いのかな… なんて思っていた時、何かの唸り声が聴こえて私は思わず驚いてしまった。ん…?驚く…? 「これだ!」 「ガウ!?」 あ…野犬だったんだ。私の叫び声に驚いて逃げてしまった。すると、突然お腹の中に何かが満たされたような気がした。人間で言えばご飯を食べてお腹がいっぱいになった感じだ。 「これって…さっき驚いた野犬の心…?」 どうやら私は人間や生き物が驚いた時の心が食べ物らしい。 「そっか、じゃあ私は人間を驚かせないとご飯にありつけないんだ…」 これは好都合だ。ちょうど人間達を懲らしめたいと思っていたから、一石二鳥だ。 「皆、行ってくるね」 私は捨てられた物達に、そう言葉をかけ、その場を後にした。人間達を懲らしめる。でも…その前にご主人に別れを告げたい。
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