106人が本棚に入れています
本棚に追加
マユ
『ねぇ~まこと…今日は、
何処へ連れてってくれるの…』
誠
『内緒だよ…
まぁ着いてこいよ…』
地下街から地上に上がると凍てつく寒さに身震いを起こした。
マユ
『さむぅ~い』
ビル群を吹き抜ける北風は漂う二つの心を一つにさせる…。
僕はコートのポケットの中で、マユの細くしなやかな手を強く握りしめた。
広小路通の街路樹は沢山の小さなLEDに装飾され、初まったばかりの二人の恋を祝福してくれてるように見えた。
マユ
『マコト…綺麗だね』
誠
『本当だね。
あっここだよ…
マユと来たかったところは』
誠は左手でビルを指さした。
マユ
『あっ…ここって…』
誠
『そうだよ。
僕が小説に書いた、
ヒルトンだよ。』
マユ
『えー本当だったの…』
誠
『当たり前じゃん…
来てなきゃ書けないよ…』
マユ
『そうだよね…』
僕たちは駆け足でホテルの中へ入る。
最初のコメントを投稿しよう!