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「必要なものまとめた?」
「その必要なものが分かんないんじゃんかぁ~。あ、でもこれは絶対いる。」
そう言ってハルくんはそこに置いていたボストンを向かい合わせに座る俺の前におく。
…中をあさる俺の手が止まる。
「……ハルくん。これは…」
「これないとオイラ…死ぬかも。」
少し斜め上を見てあごをさすりながらケロッと言うハルくん。
「かと言って寮入るのに画材だけじゃだめでしょ…。ハルくん。服。まず服入れて??」
あ、うん。とハルくんは返事をしてやっと俺の指示の下、用意を始めた。
用意を始めて10秒後。
「愁くーん。粘土も持って行っていい?」
「ハルくん!服!お願いだから服入れて!?」
あ、そうだったねぇ~。
とやっと隅にたたまれていた服を引っ張りだすハルくん。
全く…あなたは全裸で過ごすつもりですか?
「愁くーん。バスタオル何枚??」
「…3枚でいいと思うよ~。」
琉紀と同じ発言。
この2人、似てるのか似てないのか分かんないな…。
俺はまたベッドから眺める事にした。
ハルくんは一人部屋なんだよね。だから二段ベッドじゃないんだ。
「っと。愁くん、こんな感じ?」
「あ、ハルくん。財布入れた?」
「ん?財布?…まだ入れてないや。財布…あれ?財布?どこ?…ない。愁くん、ない。」
えぇぇぇ~!!
「ハルくんどこ置いたの?」
「あ、あったわ。ズボンのポケット入ってた。ごめんね愁くん。」
「い…いけど。」
いいんだけど。
…いいんだけどなぁ……。
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