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廊下にいくつか並ぶ部屋のうち、ドアに《愁・琉紀 room》と書かれたプレートが掛けられたドアをノックする。
コンコンッ
「愁くーん。オイラ。ハルー。」
「あ、どうぞー」
部屋の中から愁くんの返事が聞こえたから、ドアを開けて中に入った。
「あっ!!リーダー!!」
愁くんじゃなくて琉紀がオイラの背中に抱きついてきた。
「うぉっ!!りゅ、うきぃぃ…。」
「アヒャヒャ☆」
「おりろっ!腰が折れる!」
どちらかと言えばオイラより体格の大きい琉紀。流石に急に飛びつかれると…
「ふふ(笑)それでどうしたのハルくん。」
愁くんは隣でクスクス笑っている。
ようやくオイラの背中から降りてくれた琉紀に、オイラは手で緩く琉紀の頭を叩いた。
「あのねぇ、明日の荷物の必要なものって何なの?」
「ハルくん話聞いてなかったの?まぁ琉紀もだけど…。」
「俺は聞いてたよ!覚えてないだけだもん!!」
琉紀は口を尖らせている。
よくよく部屋を見れば、愁くんの荷物だと思われるボストンは部屋の隅に置いてあって、散らかっているのはすべて琉紀の私物だった。
「ハルくん、俺琉紀の用意手伝うからさ、終わったらハルくんの部屋行くよ。後ちょっとだから。
それまで入りそうなものまとめてて?」
「りょーかーい。ありがと!」
オイラは部屋を出て、自分の部屋に戻った。
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