331人が本棚に入れています
本棚に追加
帰ろうとして外を見ると土砂降りの雨が降っていた。
俺は憂鬱な顔をして校門へ向かうとため息をついている優がいた。
傘を握りしめて立っている。
もしかしてと思い、雨に濡れながらも駆け足で近づいた。
「しょうがないから入ってやる。」
俺は雨で濡れた髪をかきあげながら言った。
自分でもわかる。きっと耳まで紅くなってる。それでも、こんなに照れて恥ずかしい姿を見せてでもこいつのそばにいたい。
少し必死になって俺の身長の高さに合わせようと、腕を伸ばして傘を高く持つ仕草が可愛い。
「辛いだろ?俺が持つ…。」
そう言って傘を持とうと柄の部分に手を伸ばすと…
「「あっ……!!」」
手が触れる。さっきからうるさかった鼓動は更に速く脈打つ。
「悪い…」
そう呟やくと、俺に優しい笑みを向けてきた。
「気にしないでください。別に…嫌じゃなかったんで…。」
頬を紅く染めて言う姿がまた一段と可愛い。
しばらく並んで歩く。駅が見えだした。路線が違う俺らは駅で別れることになる。もう少しだけそばにいたいと思った俺の口からはこぼれた言葉…
「うち…来るか?」
俺の言葉に驚きを隠せず瞳を大きく見開いた。
(無理に決まってる…)心でそう呟き帰ろうとすると制服の裾を引っ張られる。振り返ると、照れた様子だが瞳は力強く俺を見つめていた。
「先輩の家…行きた、ぃ…です。」
心臓が大きく脈打つ。こんなに速く脈打っているのにとても心地好いと思えた。
無言のまま歩き駅に着くと2人の視線が交わる。俺は手をさしのべ互いの手が重なった時、その手を温もりを逃がさないように強く握りしめた。
.

最初のコメントを投稿しよう!